China Star-Farewell to My Concubine
舞台には左奥と右手前にモニターがおかれていました。これは公演中は日本語字幕を映すものになりました。役者の動きで邪魔された時のために右と左に一台ずつ置いているそうです。
最初にアナウンスでこの舞台の状況説明(項羽と劉邦の戦いのことなど)が流れます。舞台は虞姫のシーンから始まります。舞台と客席の距離が余り離れていないので、表情も手の形(所作)もよくわかります。虞姫を演じたのが盧思さんで、NHKのテレビ中国語会話にも出演している京劇俳優さんです。レスリーの映画で着ていた衣装とは少し違いますが、衣装を着けて、京劇のお化粧もしていて、とても可憐できれいです。彼女がきれいな声で歌います。生で見ている~~!ととても感激しました。覇王が帰ってくるシーンでは大柄な覇王がどしどしと歩きながら虞姫のもとに帰り、とても声量のある通る声で歌います。わたしはこの瞬間に覇王に見入ってしまいました。声が素晴らしくいいのです。京劇は歌、台詞、しぐさ、立ち回りが中心と言われますが、覇王の大きな体で朗々と歌い、話すところ、そのしぐさ、立ち回りなど本当に心を奪われました。馬がいないのに馬がいるように演じる、それだけで、その馬が舞台にいるように感じられる。。。京劇というお芝居の素晴らしさを体感、実感できました。虞姫は可憐な深窓の令嬢という感じですが、勇気があります。剣の舞いのところ、愛する人のために自分を殺めるシーンなど、とても悲しくなってしまって、涙してしまいました。これほど京劇に感情移入できるとは思っていなかったので、自分でも驚きました。経験してみないとわからないのだなぁと思いました。3人で行きましたが、2人はわたしに付き合ってきたので、絶対に途中で寝ると思ったと言っていました。わたしも一番前の席で見るのだから絶対に寝ないでねと釘をさしていました。(^^;でも、とてもよかったので全然寝るどころではなかった。意外だった。また何か見たいという気持ちになったと2人とも言っていました。すかさず、今度は「貴姫酔酒」とか、「牡丹亭」をやるとき、観に行きましょうね。レスリーが演じた京劇はまだまだあるから。。。と念をおしておきました。(^^)
最後に虞姫の盧思さんと記念撮影をすることができました。わたしは彼女の虞姫姿も1枚、記念に撮らせていただきました。。
(覇王別姫は悲しいお芝居なので、おめでたい月などには演じられないそうです。)