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Wong Kar-Wai at the Museum of the Moving Image-8

続き

シュワルツ: こちらは。(観客の質問を読んで)質問は音楽の選択についてです。特に「花様年華」について。でも、あなたのすべての映画についても重要ですね。

ウォン・カーワイ:わたしのママがそれに関係しています。(笑い)彼女は映画の完成前に亡くなりました。わたしのママは音楽に対してとてもよいセンスを持っていました。
ナット・キング・コールは彼女のお気に入りでした。わたし達がとても若かった時、わたし達はいつもレストランに行って、早いランチを食べました。それが彼女の習慣でした。そのころ、レストランでは、特に西洋料理を供しているところでは、音楽がかかっていました。香港には多くのフィリピン人がいます。そしてスペインの音楽は実際とても人気がありました。ある意味で、わたしはその時期を取り戻したかったのです。それでいくつかのとても有名なスペインの音楽を映画に使いました。どういうわけか、わたしはナット・キング・コールが歌うスペインバージョンの歌を見つけました。それでわたしはそれを映画に使いました。わたしのママの思い出として。

シュワルツ: ふ~ん。OK, 質問に戻りましょう。 この質問はあなたの感受性の変化についてです。

ウォン・カーワイ:わたしは映画製作者は、最初に、オープンでなければならない。そしてリスクを負うこと。あなたは何かを失うかもしれない。しかし、あなたはそれを試みるまでそうなるかどうかはわからない。そうでしょう?

シュワルツ:OK、はい、こちら

観客:あなたが脚本なしに仕事をする時、それはあなたのバックグラウンドに脚本を書いていたということが監督としての自信になっていますか?

ウォン・カーワイ:はい、それはわたしの助けになっています。最初に、わたしは思うのですが、たいていの監督は夢を見て、朝起きると、そこには完璧な台本が出来上がっています。でも、わたしにはそういうことは起こらなかった。(笑い) わたしはすべての脚本家が自分で脚本を書ける監督と仕事をするのは好まないと思います。そこで大抵、わたし自身でやらなければならなくなります。それにあなたは彼がいつも召集をかけてくるでしょうし、問題になることも、彼が逃げ出すことを知っているでしょう。ウォン・カーワイの脚本家になることはとても励みにはなりません。なぜならあなたがとても頑張って働いても、人々は「まあ、彼は台本なしで撮影するから、君はクレジットされないだろう」と言うからです。

けれども、このことは、わたしは、監督として、あなたがスキルを持っているか、脚本を書ける技能があるかが大切だと信じます。確かなことは、あなたに自由を与えるということも大切です。制限されないこと。あなたはどのように変更すべきかを知っているから。わたしは映画はひとつひとつ脚本通りに従って作るべきものだとは思っていません。そうでなければ、小説を書くでしょう。なぜ映画を撮らなければならないのです?

プロセスの中で、多くの火花が散るでしょう。アクシデントが起こるかもしれない。さまざまな状況があるでしょう。あなたはそれを確実に対処して、整えていかなければならない。わたしはそれは非常に助けになると思います。わたしはいつも学生たちや若い映画製作者たちにアドバイスをしています。プロセスに関連して、脚本を書くことの技能を学びなさいと。

シュワルツ:でも、あなたは大きな構成の変更をしましたよね。「恋する惑星」は最初は5つのストーリーでしたよね。確か。

ウォン・カーワイ:いいえ、3つです。

シュワルツ:3つ、ではあなたは1つやめたんですね。そして「欲望の翼」ですが、確か...

ウォン・カーワイ:でも、「天使の涙」でそれを使いましたよ。わたしは決して無駄はしませんよ。(笑い)

シュワルツ:OK。でも「欲望の翼」は部分的に90年代に設定しようとしていませんでしたか?それは本当ですか?

ウォン・カーワイ:いいえ、いいえ、「欲望の翼」については実際のところ、多くの人々から「なぜ、続編を作らないのですか? 欲望の翼の第2部を。」と聞かれます。でも、わたしはすでに作りました。

シュワルツ:「花様年華」ですね。

ウォン・カーワイ:「花様年華」と「2046(2004)」は基本的に、わたしにとっては夢の第2章です。

シュワルツ:あなたの映画では編集の過程でかなり変更することがありますか?

ウォン・カーワイ:基本的に、あなた方に説明したように映画を撮影している間、わたし達はおなかをすかした男たちです。なぜならわたし達はこのロケ地から帰れるかどうかわからないから。それくらい、わたし達は可能な限り撮影をたくさんしていました。編集の過程で、わたし達は撮影したすべてのフィルムを並べて、次に何が実際にストーリーに必要なものなのかを選択していきます。時々、 それは本当に、編集というのは、リズムとも言えます。映画はこのように見ることができ、あのように見ることができる。でもあなたはあなたと観衆のために一番のリズムを探さなければなりません。

(続く)
by Franny64 | 2009-05-10 19:45 | Film

レスリー・チャン(張國榮)に関するmy memoir 


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