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Years of being obscure-part 6

続き

物憂さと省略

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クレジットの後、インターナショナル版ではヨディがサッカー競技場の中に、大股で力強く歩いて入ってきて、魅力的にリーチェンをからかう。しかしわたしが調べた知られていないバージョンのプリントには、クレジットを中断して、わたし達に、トニー・レオンによって演じられた、他でもない名前のない若い伊達男が爪を磨いているシーンを見せる。(それは最期のショットよりも遡った時間のように見える。そしてその動作を続けている。)Years of being obscure-part 6_a0020835_954839.jpg

彼の映像の上に、わたし達はここで1人の男の声を聴く(字幕は出ない)

わたしは彼にもういちど会った。彼はフィリピンから戻ったばかりだった。彼は以前よりもずっと痩せていた。わたしは彼に何が起きたのか尋ねた。彼はちょうど病気から回復したばかりだと答えた。僕が彼の病気について尋ねた時、彼はとにかく、もうそれ以上話したがらなかった。
その後、わたし達はもう全く会うことはなかった。


これはとてもミステリアスだ。誰が話しているのだろう?トニー?ヨディ?アンディ・ラウ?わたしは聞き分けることができない。そして誰が彼だと言っているのだろうか?もっともらしい候補者は香港に帰ってきたかもしれないアンディ・ラウである。彼は映画の最後でかなりやつれているように見える。しかし、男性達の中の1人が説明しているということではトニーの役かもしれない。またはどうにかして撃たれても生き残り、香港に戻ったヨディ自身かも。

これらのことを考えてみると、このオープニングのショットはトニーがベッドから起き上がり、夜の外出のために正装する最後のショットに通じる。それは今、始まりの行動になる最終的なショットのために明らかに用意されている。しかし、実質的にはまだ、わたし達には最初の疑問の別の形で残った。なぜ映画の最後がこの関係のない登場人物なのかを尋ねる代わりに、なぜ彼がこの映画に使われたのかを尋ねる。

この質問はちょうど始まったばかりである。この身なりのきちんとしたトニーの18秒のショットの後、わたし達は音楽モンタージュがおよそ83秒続くのを見る。それはとても当惑させられる。わたし達は、「恋する惑星」の重慶マンションの脇道に少し似ているゴミゴミとした廊下にいて、全てがスローモーションである。わたし達は暗闇の中、大いに汗をかき、大股で歩いている黄色いセーターを着たアンディ・ラウを追っている。それからわたし達は彼が名前がわからない誰かとカードゲームをしているのを見る。ある時点において、わたし達は女性が階段を上るのを見る。ある時点では男が大きな蛇に巻きつかれているのをちらりと見る。この連続シーンは包丁を掴んでいる手と、わたし達から大股で廊下に歩き去っていくアンディのショットで終わる。全体の場面ではトニーのアパートのショットからから続くが、女性の声(アニタ・ムイの声)で「ジャングル・ドラム」の歌が歌われる。

続く
by Franny64 | 2010-07-31 20:17 | Film

レスリー・チャン(張國榮)に関するmy memoir 


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