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Exclusive Interview with Wong Kar-Wai --part2

続き

MG: ここに「マイ・ブルーベリー・ナイト」がありますが、本当にとても素晴らしいサウンドトラックです。わたしはこの映画であなたがライ・クーダー(Ry Cooder)と仕事をしたのを知って嬉しかったです。でも、あなたはまたジャズやラテン音楽が好きなのですよね。わたしはあなたが失意のミュージシャンなのかと思うのですが。

王家衛:いいえ...(笑う)

MG: 本当ですか?あなたは音楽の真価を認める力のようなものを持っていて、それを映画でとても美しく使いますよね?

王家衛:わたしがミュージシャンなら、まずは最初に才能と訓練が必要ですね。 練習が必要です。それに技能を完全にするために一生懸命に勉強をしなくてはならない。わたしはその辛抱強さや訓練をするかどうか確かではありません。でも、わたしはとてもいいDJにはなることは想像できます。

わたしは音楽を真に評価し、人々とそれをシェアすることが好きです。この映画では、わたしは音楽は2つの面が、2つの機能があると思います。1つは場所を想起させます。なぜなら国というのは...わたし達は撮影前にロケ地を探すためにいくつかの地を訪れました。日に15時間はドライブしました。そして確かにそれぞれの都市で音楽が、ラジオから流れる音楽が違うことに気がつきました。それに映画のシーンは4章なので、わたしは彼女が違う場所へ移ったことが観客にもわかるようにしたいと思いました。それで、メンフィスではすべてこのオーティス・レディング(Otis Redding)とルース・ブラウン(Ruth Brown)を使いました。ニューヨークではわたし達はCat Power(*訳者注:ショーン・マーシャル(Chan Marshall))を使いました。それからレイ・クーダーです。なぜなら彼らの音楽は章に合っていて、背景のようで、(その音楽が)言及しています。しかし、わたし達はまた、それらの章をつながなければなりませんでした。またレイの音楽はいっそうこの映画のテーマのようでした。それはあなたに感覚を長引かせます。

MG: その効果の一つをあなたの映画で観ました。それは「ブエノスアイレス」や「花様年華」、そして「マイ・ブルーベリー・ナイト」でです。人物がトラブルにあったり、彼らをどこかへ置き残したり、去って行ったり、彼らが残りの人生を共に続けるといったところです。それはあなたに起こったことですか?あなたがトラブルを起こしたり、どこかに置き残したりするのですか?

王家衛:わたしはわたしの問題を映画の中にすべて投入して、それで終わりにします!

MG: あなたの精神療法ですね!

王家衛:(笑う)それがわたしの思いです。とても興味深いです。今朝、わたしはここに来る途中で看板を見ました。そこには「みんなアウトレット(*訳者注:Outletは、出口、はけ口、表現の手段の意味があります。)を必要としている(Everybody need an outlet)」とありました。そう、映画はアウトレットのようです。マイ・ブルーベリー・ナイトは2046の後のアウトレットです。なぜなら2046からは全く違って、わたしがかつて作ったものからまったく異なる何かをするチャンスが与えられたからです。

MG:あなたは歌手と一緒に仕事をして、彼らを俳優にするのに何も手こずっていませんでした。アジアでもよかったですし、ここ、アメリカでは少し異なったように見えました。あなたは映画を作っていて、そういう感覚を覚えましたか?

王家衛: ええ、わたしは少し驚きました。なぜなら香港ではとても素晴らしい俳優は音楽世界のバックグランドを持っています。レスリーやトニーのように。彼らは皆、歌手としてのキャリアがありました。それで、わたしにとって、それはとても自然なことでした。でもここでは、それは通じないという気がします。なぜなら俳優と歌手は2つの違ったものであるようにはっきりと分かれているように感じるからです。

MG: そう、今日はなくなったレスリー・チャンの命日ですね。もしよければ、彼の思い出をシェアしてくださいませんか?何かエピソードでもあなたを微笑ませた彼のことを何か。彼のことを思う時、あなたは何を思いますか?

(続く)
by Franny64 | 2009-05-21 23:55 | Film

レスリー・チャン(張國榮)に関するmy memoir 


by Franny64